日本におけるPCD工具市場での地位
1977年よりPCD工具の製造開発に着手した。
木材加工業界向けに、日本で初めてPCD工具を製造販売したのは、当社である。
以降順次、建材業界、プリント基板業界向けPCD工具を開発し、市場に参入。
各業界でPCD工具が使われ始めた黎明期から、顧客は当社のPCD工具に慣れ親しんでいただいている。
現在は、各業界における日本トップクラスのメーカーと取引をしている。
取引のほとんどは、当社からの売込みではなく、顧客からの申し出や紹介により取引開始したものである。
特に建材業界では、顧客の工場設立と同時に立ち上げられる機械設備ライン対して、一工具メーカーの枠を超えた『専門家』として立会い、助言を行ってきた経緯があるため、数十年経た現在でも、高い信頼関係が構築されている。
PCD工具メーカーとしては、日本で3本の指に入る売上額、顧客認知度、ブランド力を持っている。
ちなみにPCD工具業界では、日本を東西で2つに区切り、『西の兼房、東の小林ダイヤ』と呼ばれている。
兼房株式会社は、愛知県にあるPCD、超硬工具のメーカーで、主にチップソーやカッター、ルータービットなどの回転工具を製造。この業界の売上額は日本一で、東京証券取引所2部上場企業。
当社は、社員数は兼房の15分の1ではあるが、『小さなビックカンパニー』と呼ばれ、なにかとこの兼房と比較されることが多い。
取引顧客の一例
建築材料業界
- 旭トステム外装株式会社様(旧旭硝子、トステム)
- KMEW株式会社様(旧クボタ松下電工外装株式会社)
- 宇部興産(ウベボード)様
- ニチハ株式会社様
プリント基板業界
- イビデン株式会社様
- 日本シイエムケイ株式会社様とその関連企業多数
- 株式会社メイコー様とその関連企業多数
- パナソニック電工株式会社様
- 日立化成工業株式会社様
海外展開
2001年より海外顧客への販売を開始。
中国、台湾、韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、アメリカ、中東との顧客と取引中である。
2004年、小林金剛石刀具(杭州)有限公司を設立。
2008年、タイにKNN Technology(Thailand)Co., Ltd.を設立。
小林ダイヤの特徴=技術力
当社は、『開発』『提案』『品質向上』を常に心掛ける経営方針です。
その成果の賜物が、これらから得られた『技術力』であると自負しています。
『開発』
常に市場をリードする製品をリリースしてきた実績があります。
顧客に喜んでいただける新製品開発のためには、最新設備の導入も不可欠であり、毎年のようにお金を惜しまず投資してきました。
最新鋭のNCマシンと、30年以上に及ぶ蓄積されたノウハウを融合させ、顧客の求める要求以上の製品を納めてきたという自負があります。
また、開発において発明されたものは積極的に特許化し、知的財産として保護しています。特許や商標登録件数は、出願中を含めて15件です。
『提案』
当社の手がけるPCD工具は、すべてがオーダーメイドです。
当社は他社と同じものをただ作って売るのではなく、【工具のデザイナー】として、アイディアや“想い”を工具に注入しています。“想い”が入っていない工具でなくては良い結果や高い評価は得られないと、社員全員が理解しています。
当社では、顧客の困っている問題を解決することが提案の第一歩であり、それが顧客との信頼構築の近道であると考えています。
よって、顧客から加工材料を入手し、実際に当社でテストを繰り返し行います。こうして完成された最適な工具を顧客に提案していますから、絶大な信頼に繋がります。
ここで蓄積されたノウハウは、新たな製品開発のヒントとして生かされている為、当社は『使う人の気持ちの解るPCD工具』を市場に投入することができるのです。
『品質向上』
出荷前検査と、各工具の履歴管理を徹底しています。
顧客の信頼を得るためには、高精度な工具であることが絶対条件であると認識していますので、品質には絶対の自信を持っています。
また、製造された工具は全てその履歴をコンピューター管理し、すぐにそのデータを取り出すことが出来るようにしています。
この点も顧客の信頼を得られている秘訣だと自負しています。
社員教育
当社の従業員は、平均年齢が34歳と大変若い。
若いパワーで、エネルギッシュに仕事をしている。
いずれも仕事に対する高い情熱を持っている。
現在は、全社で『改善活動』に取り組んでおり、社員全員がそれぞれに改善目標を持っている。各社員は日々の業務の他に、改善活動を行うことも仕事である。
また、各社員のスキル(能力)は長い月日をかけて多能化されており、製造作業者は数多くの加工機械を扱うことができる。
『小林ダイヤを更に良くしたいという思い』を社員全員が持ち合わせており、若いパワーで実行、実現させている。
今後の経営方針
日本の小林ダイヤは、小林金剛石刀具(杭州)のマザー工場として、今後も最新鋭のPCD工具の開発に邁進します。
日本の小林ダイヤの規模(社員数)は現状を維持し、製造については小林金剛石刀具(杭州)に順次移管する予定です。
よって、今後の小林金剛石刀具(杭州)は、最新鋭のNCマシンを数多く導入し、高精度、高付加価値の、他社ではおよそ真似が出来ないPCD工具を大量に生産し、海外への販売を積極的に展開していく方針です。